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PKU治療薬セピアプテリンの製造販売承認申請について

日本、東京、2025年1月14日 – PTCセラピューティクス株式会社は、フェニルケトン尿症(Phenylketonuria: PKU)の小児および成人患者様の治療薬としてセピアプテリンの国内における製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。

「PKUは、日本においても患者様に重大な健康上、社会生活上の負担を生じさせており、適切な生活の質(QOL)の確保が著しく困難です。アンメットメディカルニーズは依然として高く、より良いケアや治療の選択肢がますます重要になっています」とPTCセラピューティクス株式会社 代表取締役社長の櫻井ステファンは述べています。 

セピアプテリンの製造販売承認申請には、APHENITY第Ⅲ相臨床試験の結果が含まれています。この治験では、小児および成人のPKU患者様において、セピアプテリンが統計学的に有意で臨床的に意味のある血中フェニルアラニン(Phe)濃度の低下を生じさせたことが確認されています。セピアプテリンの投与によるPhe濃度の平均低下率は、投与集団全体では63%、古典的PKUを有する被験者の部分集団では69%でした。大多数の被験者(84%)が治療ガイドラインに定めるPhe濃度のコントロールを達成し、被験者の22%においてPhe濃度が正常化しました。進行中のAPHENITY非盲検延長試験によるデータは、セピアプテリンによるこれらの治療効果が持続的であることを示しています。さらに、Phe耐性に関するサブスタディから得られたデータにより、被験者は食事制限から解除され、タンパク質の1日あたりの推奨許容量を超えても、Pheがガイドラインに定める目標レベルの範囲内にコントロールされていることが実証されました。
患者様が厳しい食事制限から解放され、なおかつPheのコントロールを維持できることは、医師と患者様の双方にとって、セピアプテリンがもたらす非常に有意義な治療上のベネフィットです。

世界の複数の市場で、現在、セピアプテリンの承認申請に対する審査が行われています。

セピアプテリンについて

セピアプテリン(開発コード:PTC923)は細胞内テトラヒドロビオプテリン(BH4)の前駆物質であるセピアプテリンを化学合成した経口製剤であり、細胞内BH4は数多くの代謝産物の代謝と合成に関与する重要な酵素補因子です。セピアプテリンは体外から投与された合成BH4よりも生物学的利用能の高い前駆体であり、幅広いPKU患者様を治療できる可能性があります。

フェニルケトン尿症について

フェニルケトン尿症(Phenylketonuria: PKU)は希少な先天代謝異常症であり、脳に影響を及ぼします1。フェニルアラニンの分解に必要な酵素の生成を助ける遺伝子の欠陥に起因して発症します1。未治療のまま放置したり、適正な管理ができていなかったりすると、すべてのタンパク質やほとんどの食品に存在する必須アミノ酸のフェニルアラニンが体内に蓄積し、有害なレベルに達する可能性があります。この疾患は、恒久的な知的障害やてんかん発作、発達の遅れ、記憶障害、行動や情緒に関する問題など、重度で不可逆的な障害を引き起こします1。フェニルケトン尿症の新生児は出生時にはいかなる症状も認められませんが、症状は進行性であることが多く、生後数年間に有害なレベルのフェニルアラニンが蓄積することによって生じる損傷は不可逆的です2,3。フェニルケトン尿症の診断は、通常、新生児スクリーニングプログラムによって行われます4。世界で推定58,000人がフェニルケトン尿症に罹患していると推定されています。

REFERENCES

[1] de Groot MJ, Hoeksma M, Blau N, et al. Mol Genet Metab 2010;99:S86–S89.

[2] Phenylketonuria (PKU). Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/phenylketonuria/symptoms-causes/syc-20376302. Accessed October 2021.

[3] Blau N, van Spronsen FJ, Levy HL. Lancet 2010;376:1417–1427.

[4] Al Hafid N, Christodoulou J. Transl Pediatr 2015;4(4):304–317.